前の記事で脚の内捻りについて書いたが、腕にも同じ事がいえる。
腕の皮を剥いて筋肉のつき方を見てもわかるように、身体の力を腕から指先へ伝える経路は、内ねじりの螺旋になっている。
つまり、ものすごく簡単に言うと、腕を内側にねじる意識をすると(脇を締める方向)身体の力で腕から先を動かす事ができる。
これに気づいて、内捻りを意識してギターを弾いてみたら、あからさまに演奏が変わった。
前回は押弦する左手側のことを書いたが、弦をはじく右手側も、劇的ビフォーアフターで違う。
ねじりが入ると、腕に無駄な遊びがなくなって、肩からの力が最短ルートで指先へ届く。なので、より弾きたいタイミングと同時に弾けるようになる。
早いカッティングなんかは、腕に遊びがあったらリズムに間に合わない。
胴体からの力で弾けるので、小さいモーションで力強い音が出せる。ロバートジョンソンの「ガツッ、ガツッ」という、棒で殴っているような強力なベース音の秘密は、ここにあるのではなかろうかと睨んでいる。
小さいモーションで済むので、弾き方が根本的に変わった。
今までは指を振り下ろして弾いていたが、振り下ろす必要がなくなった。
今は、まず指(俺の場合ピックを使わない)を弾きたい弦の上まで持っていき、位置が決まったら肩からの捻りの力を発動させて弦をはじく、という2段階になっている。指で弾いているというより、肩で弾いているような意識。
この新しいピッキング方法だと、弾きたい弦に標的をあわせてから弾くので、ミスピッキングが大幅に少なくなる。
俺の場合人差し指ででピッキングするので、指の腹側と爪側でトーンがバラバラになりがちだったのが、それも改善される。
意識しただけでここまで変わると、嬉しいと同時に、今まで俺は何をやっていたんだろうという虚しい思いに襲われる。
賢くなるということは自分のアホさに気づくことである。
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