背中、肋骨の後ろ側を広げるような意識で歌うと呼吸の力が強まることに気づいた。この意識がないと、息を声に変換する効率が4割くらい落ちるてるように感じる。
その意識を追いかけているうちに、いつしか背中は意識に上らないようになり、背中の下の方、腰の後ろあたりに意識が行くようになった。歌っている時に、明確に、背中の下の方、腰の上あたりで呼吸をコントロールしている感覚がある。続けていると汗ばんでくるくらい明確な肉体感覚だ。半ば筋トレのような気持ちで歌っている。
発声はガスバーナー仮説によると、ガスの出力が高ければ種火はどんな小さくてもいいことになっている。実際腰の後ろで呼吸できるようになったら、喉はどんな状態でも、ある程度声を身体に響かせられるようになった。
オペラ歌手なんかが歌ってるの見ると「なんであんなにあご引いて、でかい口開けて声が響くんだろう?」と不思議に思っていたのだが、鍵は呼吸の力にあるのかもしれない。
腰の呼吸で歌う、を意識しているのだが、これが面白いくらい簡単じゃない。いざ意識して歌っていても、3秒後にはすっかり忘れている。そして忘れていたことに気づき、また意識する、の繰り返し。
喉の力で声を出すことが、永年の習慣としてへばりついているのだと思う。
しかし、簡単じゃない、と書いたが、難しいわけでもない。習慣は偉大だが、同時に、習慣でしかない。単に、慣れるまで続ければいいだだけだ。それに新習慣の方が合理的なら、やってるうちに自ずとそっちが楽チンになるはず。この作業を俺はosの再インストールと呼んでいる。地味だけど、夢中になれる好きな作業だ。
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