とりあえずやってみる

一念発起して部屋の窓ふきをした。窓がきれいになった途端に、外のしょーもない漫喫の駐車場が、アーバンな夕暮れの街角に見えてきて笑えた。しょーもなかったのは駐車場ではなく部屋の窓、もっと言えば窓拭きしなかった自分だったと気付いた。ここまで簡単で精神衛生に著効のある行いはそうないと思う。窓ふき教開祖になろうかしら。

とりあえずやってみる、を、ちょっとづつ楽しめるようになってきた。窓ふきだって、やったことないからやり方わからんし、完璧にきれいにできる自信もない。今までは、それが、やらない理由だった。しかし度々言うが「わかる」とは、「わからない」で浮き彫りになったものでしかない。

とりあえずでも雑巾で拭きはじめれば、跡が残って汚らしいことなどがわかる。じゃあどうしようと考えていれば、たまたま近くに居た兄嫁に聞いてみようと思いつく。教えてもらった新聞紙で拭く方法で問題解決。しかも思った以上に超カンタン。それなりきれいになっただけでも、自分を取り囲む世界が一変するのを実感する。そうなると、もっときれいにしたいという欲も自ずとわく。 きれいにしたいというより、汚いのが嫌だ、と感じるようになる。

窓がきれいになったら、今まで気にならなかった雨戸やサッシにたまったホコリも急に気になって仕方なくなる。それを拭き取る。大変気持ちいい。もっときれいにするにはどうすりゃいいのか考える。そしてやりたいという気持ちにさえなれば、やり方はググればいくらでも出てくるありがたさに気付く。

こうして、今まで有益とわかっていても頭を素通りしてきた情報が、必要性によって行動と結びつく。その行動によって、それまでの自分には全く想像できなかった現実が現れる。それが学ぶということなんだなー、なんてことをこの年になってしみじみ思う、実家暮らしおじさんであった。

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