「ポリヴェーガル理論」とは、これまでの自律神経の理解を一新する革新的理論だ。
30年ほど前に発表されたこの理論によって、これまでとてもとても長ーい間信じられてきた自律神経のあり方の説明が更新された。
それによって、これまでの自律神経のモデルでは理解できなかった人間の様々な心身の状態を、明確に説明できるようになった。
実際その理論に沿ったカウンセリングや手技療法、運動で、PTSDや自閉症、引きこもりや鬱などの回復に、世界各地で効果があげられているらしい。
最近、最近30年来悩まされてきた過食癖を一言で表現する言葉を見つけた。
「自律神経の不調」
これまで食べ過ぎては反省し、自分を改めるべく、断食や、健康食品など、食療養と呼ばれる様々を試みてきた。
しかし、問題の根本が自律神経で、その結果が食べ過ぎだとしたら、「食べ方」に働きかけても効果は望めないと思い至った。
食べ方の問題というより、食べる人のありようの問題なのである。
そんな事を漠然と考えていた折、ポリヴェーガル理論に出会った。
この理論は、今自分がはまりこんでいる状態を明確に説明してくれた。
そしてそこから抜け出すための地図と、具体的歩き方も提示してくれた。
さらには、過食癖や病歴などのネガティブだけでなく、歌やヨーガなど様々なポジティブな行動も、この理論から眺めてみると、なぜ自分がそれを欲し、やり続けていたのかの理由が、生理学的にきれいに裏付けできてしまう。
我が来し方、ぶらぶら行き当たりばったりで歩いていたように思っていたけど、実はちゃんと歩くべき道を、歩くべくして歩いていたのだ。
それを理解できた時、過去への後悔が減り、未来は変えられるという希望で明るい気持ちになった。
そして理論など頭では知らなかったけど、体は、ちゃんと何をすべきか知っていたし、それをやっていた。この事実を実感すると、自分の身体へ対するリスペクトが湧かざるをえない。これを自己肯定感と呼ぶのかもしれない。
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