親指と、その腹で押弦する

楽に自在に鍵盤を叩くためには、親指の位置がすごく重要だ。親指が他の4本と離れていると、掌の腱膜が張って、他の4本の指の動きが妨げられる。逆に親指と4本の指が寄り添うようにして、親指と人差し指との股を緩めると、掌の腱膜が緩んで、指が自由に動くようになる。試せば誰でもすぐ実感できると思う。

 

この親指と人差指の股を緩める意識、ギターにもそのまま使えた。

押弦の際、親指と、親指の腹のポジションがめちゃくちゃ大事だと今さら気づいた。

どうしても弾けない単音のフレーズ、問題は4本の指の動かし方ではなく、親指の置きどころだった。

一音ごとに、親指と親指の腹を、ネック裏の納まりのよい位置に移動させていけば、4本の指はつんのめることなく、スイスイ動いてくれる。

4本の指で押弦するというより、親指とその腹で押弦する、という感覚。押弦の主語が代わった。

 

ネックの裏と親指の腹とを常にくっつけておけば、万力効果で押弦の力も最小限で済む。しかし一番細い弦を押える際は、ネックと親指の腹をくっつけるのは難しい。その場合は親指をネックの横側と密着させることで横向きの万力効果で押弦する。この方法に気付いた時、ネックの形が半円になっていることの、とてつもない価値にも気づいた。最初にネックを半円にした人、天才です。

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