背筋の伸ばし方を教わって以降、声の出し方も変化した。
自分の中で良い姿勢を作る要素がいくつかあって、最初のうちは、それらを一つづつ満たしていく事で良い姿勢を作っていたのだが、続けるうちに、あごと胸とをお互いくっつけ合うように意識する、という一つの操作だけで、よい姿勢が整うようになった。
声を出す時も、ただただ、あごと胸とをくっつける、それだけ意識する。すると高い声を出す時も、喉に緊張が走らない。
これは脱力のコツでもある。
しようとしてもできないのが脱力だ。なぜなら「脱力しよう」と意識した瞬間に、意識したことによって、脱力したい場所に力が入ってしまうからだ。
ではどうするのか?脱力しよう、と意識する代わりに、結果的にそこが脱力してしまう動作をしよう、と意識する。今回の場合、あごと胸を近づけよう、という意識がそれにあたる。目的の動作を直接やろうとするかわりに、結果的に目的を達成してしまう動作を行う、というわけだ。
このように、体を動かそうとすると、直接それをやろうとしてもできないことが色々あることに気づく。
「目的と違うことをすることが、結果的に目的への一番の近道になる」
この目的達成方法は、身体操作に限ったことではなく、何かを知ったり学んだりする事全般に言える事ではないだろうか。
実際、謎の武術の鍛錬を習ったら、いきなり発声の質が変わったし、ピアノをはじめて、別の角度から指の扱い方を知ったら、ギターも上手になった。
寄り道遠回りは無駄にならない。
もっともっと腰を軽くして、結果を期待せず、色んなことやってみなきゃなー思う。
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