甲田先生の本を改めて読み直したら、以前見落としていた様々な事に気付かされた。
以前は断食の効果の絶大さにばかり目がいったが、今読むと甲田先生は、断食の効果と同じくらい、いやむしろそれ以上に、断食を行い継続することの難しさや、素人の独断による断食の危険性を強調している事に気付かされる。
自ら院長として、自分の指導する断食で生死の境を彷徨った患者さんを見てきているだけに、説得力がある。下手な断食は命に関わるのだ。
その誰しもが気軽にできるわけではない断食の効果を、誰しもが得られるように開発されたのが寒天断食やすまし汁断食、朝食抜きなわけであり、
断食の難しさが骨身にしみた今、これらの本当のありがたさ、これを開発してくれた甲田先生の優しさもまた、身にしみでわかるようになった。
すまし汁断食で過ごす2日間は、想像以上に楽ちんだった。
昆布しいたけ各10グラムを3合(560cc)の水で戻し、美味しく煮出してだし汁を作り、黒砂糖と醤油各30グラムを入れる。その甘すぎるそばつゆのような汁を、食事がわりに昼と晩に飲む。
この量の醤油と黒砂糖が入っていると、かなり飲みごたえある。美味しく、冬の体が暖まり満足感高い。体にも確かにエネルギーが補給され、フラフラすることもなしに過ごすことができた。だし汁のなんとも言えない美味しさもこの機会にしみじみ再確認、普段の食にも昆布と椎茸が加わることになった。
この感じならもう1日2日続けられそうな気もしたが、ここで切り上げられるようになったのが我ながら年の功である。断食はあくまで往路で、往路の分だけ回復食期間という復路が待っている事を忘れてはならない。
また、「まだ行けそうかな」というところであえてやめておくことで、「今度またやりたい!」という気持ちを芽生えさすという、自分の心を操る老獪なテクニックでもある。
なにしろ30年来のバカ食いだ。長い息で取り組んでいこう。
断食→回復食→体力を回復させる期間→回復した体力を使ってまた断食
というサイクルで、プリプリピンピンの内臓を取り戻していきたい。
エネルギーをためて、そのエネルギーを使って更にエネルギーに満ちる。その正のスパイラルに乗った生活の爽やかさを、まだ一ヶ月目ではあるが実感する日々だ。
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