ロルフの先生いわく、「理想は重力を味方につけた体」らしい。
重力に逆らわず、反力を味方にして、最低限の力で立っていられる姿勢。そう言われて頭に浮かんだのは、こけしだ。
こけしを机の上にポンと置くように立つことができたら、どれだけ楽だろうかと夢想する。
逆に、もしこけしが生きていて、斜めに立っていたら、その姿勢を維持する大変さは計り知れない。
立っている間中、エネルギーがどんどん漏れていく。それに、どんな作業もしづらくてしょうがないことだろう。俺は斜めに立つこけしだ。
人間の脳の利用エネルギーの8〜9割は、姿勢を維持することに費やされる、とロルフの先生が言っていた。そんなに!?まじか。
このエネルギーを姿勢維持以外のことに使えるようになったら、人生どんなことになるんだろう。
人間は本来、こけしのように重力に逆らわない立ち方ができる構造になっているらしい。
構造としてそうなっている、ということは、自分も一応人間なので、それができる可能性があるということだ。そうなりたい。
ただ、こけしと人間との違いは、人間は、さまざまな質感のたくさんのパーツで組織されていること。
それら各々のパーツが、各々、自由に動くようになるほど、体全体としては一つのものとして統一される。ここが1ピースボディのこけしと、生き物である人間との最大の違いだと思う。こけしに関節があったら、逆に立てない。
部分が複雑にバラバラに動けるようになるほど、全体としては一つになれる。ここに体の不思議さと楽しさを感じる。
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