図書館でピアノ教本を一通り借りてきた。ボイトレ本と同じくらい沢山出版されているが、内容の薄さ濃さにはかなりばらつきがある。
当たり前のことしか書いてない本もある。
例えば「狙った鍵盤を弾くには、上から真っ直ぐ指を下ろすことが大事です」
言われなくてもわかるし、肝心の、それをするためには何をどうすればいいのかが書かれていないので、全く役に立たない。
他方、言われなきゃなかなか気付かないようなヒントを与えてくれる本もある。
「鍵盤は押さえると下がる。上がった状態の位置の鍵盤を狙って指を落としがちだが、下がった状態の位置に向けて指を落とす」
なんてアドバイスは、なるほどと思う。
この本は大変ためになった。
身も蓋もないタイトルだが、まさにピアノを始める前に読んでおきたい、ピアニストの身体の取扱説明書だった。
個人の体験や趣味嗜好ではなく、人間の身体の構造を根拠に合理的なピアノの弾き方が解説されている。ピアノを超えて、体の勉強になる大変普遍的な内容だ。mp関節の項など、ギタリストも必読と感じる。
体の使い方として、末端よりも根っこである胴体を動かす事が大事と思ってきたが、末端がヘンテコな使い方だと、結局根っこにも緊張が走り、うまく使えなくなる。
よく言われている「全身は繋がっている」という言葉を実感する。そして全身が繋がっているということは、結局末端も根っこも、どっちも大事という事になる。
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