冬の間、寒さにやられていた。
小さい頃から虐待が当たり前の環境に育つと、自分が虐待されている事に気づけなくなるらしい。
自分の家が虐待レベルで寒いことに、今まで気付けなかった。冬、家が寒いのは、当たり前だと思っていた。
「虐待なんて大袈裟な」と思われるかもしれない。しかし例えばドイツ。「18度以下の室温は、基本的人権を損なう」と定められている。性能基準以下の家を建てると、法律違反になる。
朝、氷点下で目覚める寝室。そんな我が境遇を顧みると、ドイツはもはや、イマジンで歌われるレベルの世界にしか思えない。しかし現実だ。
欧米諸国の基準が高いというか、日本が異常に低すぎる。中国韓国より劣るというのはどういうわけだ。
そもそも世界と比較する以前に、北海道の家の中が松本のそれより暖かいのは納得できない。
家が寒いと死ぬ。大袈裟ではない。実際、室内温度差が原因で死に至る(ヒートショック)人の数は、交通事故死者数より多いという。
飲酒運転など、危険運転の厳罰化が進む一方、家の断熱に関しては、何ーんにも規制がない。どれだけ寒い家でも作り放題。
死に至らなくても、脳梗塞を患えば、患った当人だけでなく、介護をする人の負担も計り知れない。治療費を払うのは我々国民だ。
寒い家にはこういった大きなデメリットがあるからこそ、欧米では国によって厳しい家の性能基準が定められている。
家が暖かければ、住む人にとっても、国にとっても、いいことしかない。
でも日本ではやらない。実際、2020年に家の性能基準の義務化がされるはずだったが、無期限延期になった。対応できる業者が少ない、という理由らしい?
無知につけ込まれて、国民の健康や幸せが、国によって蔑ろにされている。これが日本の現実だと思うと悲しくなる。
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