「ミュージシャン特有の筋肉は存在するのか?」
遊び場所で一緒になった人と話していて、そんな話題になったことがある。
自分の意見は否で、結局大事なのは各種特有の動作を行う末端の筋肉より、全ての動きを支える大きい筋肉をいかに使えるようになるか、と考えている。
それに、多くの人が使えないような特殊な筋肉による表現に、多くの人が感動するような普遍性がこもるのかという疑問もある。
と否定しつつ、この問いが心に残っているのは、どこか気になるところがあったのだろう。
最近、ミュージシャン特有の筋肉というものは存在しないが、そこが使えないと演奏に致命的に支障をきたす筋肉は存在する、と考えるようになった。例えば肩甲骨周りの筋肉が固まっていたらギターは弾けないし、後頭下筋群が固まってると声は響かない。
それらの筋肉はミュージシャン特有の筋肉ではない。それが証拠に、肩甲骨が開放されれば腕や手を使う全ての動作が楽になる。後頭下筋群が凝りから解放されれば姿勢も良くなるし、神経の通りが良くなるので、五感が鋭くなる。演奏が良くなるのも、それらに内包されているに過ぎない。
逆に言えば、上手く演奏できる体になれば、他の所作のクオリティも全て向上する。少なくとも俺はそう信じてやっている。
ただ好きでやってるだけとは言え、長い時間ギターを練習した結果、ギターが上手くなった以外何もならなかったとしたら、つまらないではないか。そしてそんなギターを弾くためだけのための特殊技術には、表現として普遍性は宿らないとやはり思う。
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