鳩山メソッドと称して、快感と響きの都合を最優先して声を出していた結果、発見したのは発声法ではなく、自分の体の歪みだった。
そこで発声法は一旦わきにおいて、体自体の事を学ぶことにした。演奏法より先に、まずは楽器のメンテナンスをすべきと思い至ったのだ。
頑張って2倍の力を出すことではなく、半分の力でできる方法を探す事を練習と定義して以来、いかに末端の細かい筋肉ではなく、体の奥の大きな筋肉を使うかが興味の対象になっている。目星をつけたのは腸腰筋と呼ばれている大腰筋と腸骨筋のコンビだ。
今は、腸腰筋が発動する事を最優先にした体の使い方を探している。
腸骨筋は骨盤の中にちょっとねじるようについている筋肉だが、伸びると足底から真下に力が伝わる。意識としては捻るのだが、力は垂直に働くのが面白い。人間の体って三次元なんだなー、と体感する。
腸骨筋がよく伸びる足の位置がぴたりと決まると、俺の扁平足のアーチに張りを感じる。長い間使ってなかった部位に刺激がいって新鮮な気持ち。
腸骨筋がよく伸びるために、骨盤を立てざるをえない(現在の俺の感覚では)
別の言い方をすれば下腹を凹ますような感じなのだが、胃下垂の場合、内臓が邪魔になってそれが難しい事に気づいた。
鳩山メソッドで自分が歪んでいる事はわかったのだが、その歪みの原因がわからなかった。
しかし腸腰筋という中心がはっきりするにつれて、逆算的に自分の体がどう歪んでいるかが、色々と具体的にわかるようになってきた。
「わかる」とは「わからない」で浮き彫りになったものでしかないので、どう歪んでいるかが分かりさえすれば、元に戻す方法もわかったと同じだ。
コメント