響く声の定義=さっきより響く声

鳩山メソッドの響く声の定義は、「さっきより響いている声」
言い方を変えればつまり「他人と比較しない」ということ。
これって、続けていく上で、ものすごく重要なことだと思う。

例えば逆に、響く声を「パバロッティみたいな声」と定義したとする。間違ってないとは思うけど、実際問題、どこまでいっても劣等感しか得られないと思う。

そんな劣等感でやりたいことをやらないでいるのは、とてももったいない。発声のレベルの高い低いはあるとしても、レベルが上がる喜びは、1から2に上がるのも、100から101に上がるのも、等しく至福の体験だからだ。

歌う主体を「俺」から「響き」にシフトチェンジして、昨日より響く声、さっきまでより響く声、とコツコツ続けていると、ある時突然、今までまったくできなかった声の出し方ができるようになる瞬間がある。はじめて転ばずに自転車に乗れるようになった瞬間みたいな、経験値を積み重ねていったら、ある瞬間から急に何かができるようになる体験。言葉にするならまさにレベルアップ。その瞬間はあまりに明白で、天井からファンファーレが鳴り響き、それ以前以後でまったく違う自分に生まれ変わり、理由もない喜びに満たされる。それは、他人と比べての喜びでははないだけに、絶対的だ。絶対的なだけに、レベル1から2でも、100から101でも、同じだけの喜びがあると言えるのです。

むしろレベル低い時の方が、レベルアップの回数も多いし、経験が少ないだけに喜びも大きく感じる。俺も、以前は行きつけの歌広場スタジオで「明日死ぬのかも」とか思うくらい一人興奮することがよくあった。

その実感があるだけに、多分誰かに迷惑かけるわけでもないこの純粋な喜びに、他人と比べることで水をさすのは、あまりにももったいないと思うのです。皆が、もっともっと、自分が上手い下手とか気にせず、好きなことを、各々、勝手に楽しむようになったら、世界はもっと楽しくなると思う。

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