響くこととと、体に不快感がないことを最優先に声を出すことを「鳩山メソッド」と称して自分に教えてきた。
それらを最優先にして声を出すと、発声法の教科書には絶対載っていないような、へんてこな姿勢になる事に気づいた。
つまり「響き」や「身体的快不快」という客観的事実を通して、自分の体の歪みが可視化された形だ。
歪みは可視化されたのだが、その歪みを解消する方法がわからない。この壁にぶつかって以降、鳩山メソッドはいったんわきに置き、ヨガなどの身体そのものに対する知恵を学びはじめた。
徐々に胴体が開発されて、体が細かく動くようになってくると、練習をしたわけでもないのに、声が出たりギターの弾き方がわかるようになった。
何事も根本に働きかけるのが1番コスパが高い。歌にしろギターにしろ、まずは体自体を理に適った動かし方で操作できるようになる事が、1番コスパの高い練習法ではなかろうか。そして、それを追求するうちに、「姿勢が大事」という考えに至った。
いわば「アンチ正しい姿勢」のスタンスではじまった鳩山メソッドだが、いつの間にか「正しい姿勢」を追求するという、当初と全く逆の方向性に変わっていた。
しかし逆のように見えるけど、結局やっている事はどちらも、「気づいていない事にすら気づいていない」何かに気付くために、自分以外の何かを主語にして行動してみる事に尽きるので、全く一緒だとも言える。実際鳩山メソッドをはじめた頃から、その事にしか興味がない。
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