壊れたギターで練習する前にギター自体をリペアするように、声の出し方以前に体を整える事に重心を置きはじめた鳩山メソッド。
発声法というより、健康法みたいになってきた。
ところで健康法には、脱力と同じジレンマがある。
力を抜こうと意識した瞬間に、意識したせいで力が入っちゃうように、
「健康になろう」と意識した瞬間に、同時に無意識では「自分は不健康」だと思ってしまうのだ。
本当に健康な人というのは、そもそも健康法のことなんて考えたことすらない人のことだ。
この無意識での否定が、健康へのブレーキになってしまう。
脱力の場合、脱力することを直接の目的にすると脱力できない。力をいれるべき別の場所に意識を向けることで、結果として、間接的に、力が抜ける。
それと同じように健康法も、健康になる事を直接の目的にするとうまくいかない。
健康自体ではなく「健康になったら何をしたいのか」の方に意識を向ける。
そうすると、無意識の反発を食らうことなく、その健康法を知らず知らず続けられ、その結果として、気付けば健康になっている、という段取りになっている。
そう考えると、ボイトレって優れた健康法かもしれない。より響く声を目指す試行錯誤が、そのまま健康法になっていると思うのです。
この説を検証すべく、今後、健康法としての発声法を、色々実験してみようと思っている。
コメント