全てに先立って、腹側迷走神経を活性化させる

著者は、セラピーや整体指導を行う前に、自分とクライアントの自律神経の状態をチェックするという。

というのも指導する側の自律神経の状態が、相手に伝染するというのだ。

そしてクライアントが腹側迷走神経優位の状態でないと、受け取るものも受け取れないので、何をしたところで期待する効果は望めない。

世に溢れる自己啓発メソッドをどれだけ試しても一向に変わらない自分。

結局問題は、何をするかではなく、誰がそれをするか、だと思い至った。

何をしてみたところで、そもそも自分がそれを受け入れられる状態でなければ、効果は望めないのだ。

昔読んだ自己啓発本の「時間の上手な使い方」を思い出した。

第三の習慣:重要事項を優先する(最優先事項を優先する)|緊急度ではなく重要度を優先する|フランクリン・プランナー
第四世代の時間管理ツール、システム手帳で理想の人生計画を立て、実現する「フランクリン・プランナー」。タイム・マネジメントからライフ・マネジメントへ。

よき人生を送るには、自分のやる事を四つのマトリクスで分類し、「緊急ではないが重要な事」に時間を割きなさい、という教え。

ポリヴェーガル理論から眺めれば、「緊急ではないが重要な事」とは、まさに「自分を腹側迷走神経優位の状態に整える事」に尽きる。

背側迷走神経優位でも交感神経優位でも、今抱えている問題を解決することはできない。

背側迷走神経優位では心身シャットダウンの状態なので、そもそも行動を起こすことすらできない。

「火事だ逃げろ!」など、考える余地のない緊急の問題に対してなら、交感神経の働きでOKだ。

しかし我々を困らせている問題の多くは、解決策が二者択一の外にあるから解決できないのである。

「闘う/逃げる」の二者択一に陥る交感神経優位状態では、そのどちらでもない第3の道を見つけることができない。

結局腹側迷走神経という事になる。

自分が整わなければよい解決策も見えてこないし、そもそも自分が整った時点で問題はなくなっている可能性もある。

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