教科書を読んで参考になった情報と、それをもとに弾いてみて得た気づきを、取り急ぎまとめた。
ものを掴む時、指をmp関節から曲げると、腕に緊張が走らない。試せばすぐわかる。指を第一関節、第二関節で曲げた時と、mp関節から曲げた時とを比べてみれば、その差は明らか。第一関節第二関節で曲げると、腕に嫌な感じの緊張が走ることを明確に感じられる。
というわけでピアノを弾く時もmp関節から指を動かす。
指の仕事は、mp関節からピロピロ上げたり下げたりするだけ。しかし鍵盤は左右に広がっているし、黒鍵と白鍵で前後にもずれている。ただピロピロしているだけでは、叩きたい鍵盤を順序よく正確に叩けない。そこで肩甲骨を使う。その都度肩甲骨を動かし、手を、ただ指をピロピロ上げ下げするだけで叩きたい鍵盤を叩ける位置にキープする。
例えば黒鍵を叩く時は肩甲骨を前にスライドさせると楽ちんだし、左の鍵盤(低音)から右の鍵盤(高音)に高速移動する時は、指や手を右に動かすより先に、肩甲骨を右に動かしておくと、少ない力でスムーズに飛べる。
上記の通り、腕の緊張をなくしたい都合上、指は真っ直ぐにしておきたいのだが、肩甲骨をいわゆる立甲の状態にしておくと、指を真っ直ぐ、平らにしたまま、振り上げずに、大きな音が出せることを発見した。
肩甲骨を立てると、鍵盤と胴体が繋がる感覚がある。胴体の力で弾くことができるので、頑張らなくても大きな音を出せる。
人差し指、中指、薬指の3本は向きが揃っているのでmp関節からピロピロするだけで何も考えずに鍵盤を叩けるが、小指と親指は向きが違うので、3本とは扱い方が違ってくる。
特に左手の小指は最低音、つまりベース音を担うことが多いので、狙った音を正確に強く叩きたいのだが、なかなかそれが難しい。
試行錯誤するうちに、小指は、スラップベースを弾くみたいに、手を手首から回転させた勢いで鍵盤を叩くと、正確に強い音が出せる事に気づいた。
それを親指にも応用したらうまくいった。親指は曲げずに、まさにスラップベースみたいに反った指で叩くといい感じ。ただ指を反ると鍵盤に当たる面が広るので、白鍵を叩く場合、隣の白鍵も一緒に押しちゃう。なので白鍵を叩く場合は、隣の白鍵に当たらない程度に、曲げる。
親指も小指と同じくらい大事な仕事を担っている一本だ。ピアノを弾いていると親指またぎをするフレーズが沢山あるが、その時、親指の動きが、そのまま、その後の手の動きを先導させると、スムーズに手が動く。
親指と他の指が絡んだややこしいフレーズは、mp関節ピロピロだけでは対応できない。その場合、親指を軸足にするような意識をすると、手が安定して、他の指を自由に使えるようになる。
親指の開き具合も、指を自在に動かすためにとても大事だ。
親指と小指を大きく離すように手を開くと、手のひらの腱膜がピンと張る。そうすると真ん中の3本の指も自由に動かなくなる。なので指は必要ない時は広げない。親指の腹と小指の腹を常に近づけておくような意識でいると、手のひらが緩んで、指が自由に動く。
鍵盤を叩いたその後は、いくら押してもそれ以上音色は変わらないので、手はなるべく楽にしていたほうがいい。鍵盤に手を置いている時は、上記の手のひらを緩める意識をすると、手の力が抜ける。手のひらを大きく広げる和音の時にも、意識すると、ちゃんと効果がある。
といった感じに、身体のパーツの動かし方をととってみれば、様々な角度、様々な方向への力の流れが存在する。
これらの複雑な力の流れを統合させて、音楽という1つの流れを作っていくという作業が、不思議で面白い。
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