いざ声を追求しようと決意したものの、そもそも声には劣等感しかない。
伸ばしたい長所も個性も一切見当たらない。まさにゼロからのスタート。
何をしていいのかわからないので、とりあえず図書館でボイトレの本を借りてみた。
しかし、読むうちに、もっとわからなくなってしまった。
まず、世に出ているボイトレ本の多さに驚いた。
そして何冊か読むと、しばしば相反するような記述に出会い混乱した。
健康法のジャンルに似ている。
「長生きしたければ肉は食うな」というタイトルと「肉を食え」というタイトルが同じ本棚に並んでいる。
結局、著者は各々、個人的な体験と主観を述べているだけなのだ。
内容の矛盾以前に、そもそも書いてある用語が何を指しているのかがわからなかった。
試行錯誤の末、答えを外に求めるのは諦めた。
よくわからない概念のかわりに、自分の内側に確かにある、間違いようのない感覚だけを頼りに声を追求していくことにシフトチェンジした。
鳩山が鳩山の中から見つける発声法。鳩山メソッド誕生の瞬間だ。
続く
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