春のオシャレ

畑があからさまに春。まさに季節が違えばすべてが違うって感じ。秋に種をまき、冬の寒さで枯れ気味だった水菜もここ一週間でみずみずしい緑色が蘇り、とうがたち始めたので、花が咲く前に収穫した。
荒野でたくましく育ったマイファースト水菜は、とても歯ごたえがあって美味しかった。採れたてのつぼみはみずみずしくて、生でかじってえぐみもなく、体が清らかになるような美味しさだった。葉を収穫しそこねてもつぼみを食べられることを知り、アブラナ科野菜最強説の確信がまた深まった。

畑と同時に俺も色づきはじまったようで、暗く沈んだ色の薄汚れた冬物アウターを一気に片付け、軽くて明るい感じの春の服を求めてUNIQLOへ出かけた。
目星をつけていたのは、風の時にちょっと羽織るような薄いナイロンのパーカー。明るい色の選択肢はオレンジと黄色の二色。試着して選ぶことにした。

まずオレンジを羽織ってみたら、春のオシャレというより、JAか水道工事会社の営業のおじさんにしか見えなかった。こりゃいかんと黄色を試すと、菜の花のような鮮やかさがいい感じ。明るくて気分が上がるし、少なくとも営業のおじさんには見えない。というわけで黄色いパーカーを買った。

翌日東京へ遊びにいくので、早速羽織って出かけた。
電車に乗るべく駅の駐輪場へ入ったら、俺のパーカー、場内整理のおっさんが着ているナイロンパーカーと全く同じ色調だということに気付いた。水道工事会社営業のおじさんを避けたと思いきや、なんのことはない、シルバーワークおじさんだった形である。

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