秋に定植したキャベツが巻きはじめた。とりあえず植えてはみたものの、こんなひょろ苗でどうなるんだろうと冬の間見守っていたが、春の陽気と共にすごい勢いで成長、単なる菜っ葉が、見事キャベツに変身している。キャベツなんて一年中市場に出ているありふれた野菜の代名詞だが、誰に言われるわけでもなく美しく巻いていく様子をじかに目にすると、神秘を感じずにはいられない。
去年栽培難易度と美味しさの反比例に感動したのらぼう菜、今年はまいた場所が痩せ地すぎたせいか、早い時期にひょろひょろのままとうだちしてしまった。しかしその代わり、冬に結球しそこねた白菜やケールが続々とうだちして、今月に入ってから毎日、新鮮な菜の花に事欠かない。
白菜の菜の花の甘さには感動した。こんなに美味しく栽培容易なのに市場に出回らないのは、ひとえに流通の都合だと思われる。お金を積んでも手に入らない最旬野菜を、好きなだけ食べられる毎日。これを幸せと呼ばずしてして何を幸せと呼ぶのか。
上記の野菜にしろ、先日書いた大根にしろ、すべてアブラナ科の野菜である。野菜を育ててみて、アブラナ科野菜の偉大さが身にしみる。日本の風土で容易に栽培できる上に、根も葉も花も、もれなく美味しい。さらには、美味しい上にもたれないことをいいことに、サラダ揚げ物煮物などなど、毎日の料理にドバドバ使っている菜種油、文字通り菜の花の種だと思い至った時、アブラナ科野菜こそ日本のスーパーフードだと確信した。
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