家庭菜園で商売とは関係なく野菜を育ててみて一番良かったのは、「希少性と価値は比例しない」ことを知れたことだ。
手間がかかる野菜ほど美味しくて栄養価が高いかと言えばそういうわけでもなく、むしろ、荒れ地でもたくましく育つような品種に、美味しさと栄養が宿っている。
わざわざ外国の珍しい種を育てなくても、その土地、その季節に合った種を撒けば、一番手間がかからず、一番美味しくて体が喜ぶ野菜を、一番沢山収穫できる。
歌の文句じゃないけれど、ありふれているものにはありふれている意味があるのだ。
人体もナスやかぼちゃと同じ自然物である以上、同じ法則が適応される。
聞いたことないような栄養素の効用を謳ったサプリや海外のスーパーフード、怪しい健康グッズを見ると「嘘くせー」が先に立つ。
逆に、ありふれた食生活や簡単な日々の習慣にこそ価値を感じる。そしてそれに価値を感じられると、市場の価値観とは無関係に、豊かな気持ちになれる。
今、蒸しタオルにはまっている。簡単さと効き目の反比例がすごい。
お湯で絞ったタオルで凝った箇所を温めるだけで、嘘みたいにコリがほぐれていく。
即効性もすごい。1分もすればリアルタイムで、血の通ってなかった箇所が脈打ち、ほぐれていくのを実感できる。
効果が実感できると自ずとやる気もわく。我慢ということができない俺でも、これはやらざるを得ない。
ちなみに今住む家には湯沸かし器がついているので、思いついた時にいつでも蒸しタオルを行える。
湯沸かし器を使うという文化のない家で育ち、今まで住んできたどの部屋にも設置されてなかったので、今さらながら便利さに感動している。
文明の利器とはまさにこのことだと思う。
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