室内が寒すぎるので、畑でトマトなどの支柱などに使うイボ竹とプチプチで、部屋の中に部屋を作った。
この度、その部屋を撤去した。
撤去してみてはじめて、プチプチハウスの存在が精神衛生に多大なる悪影響を与えていたことに気づいた。河川敷のルンペンハウスみたいなのが視界から消えて、こんなにスッキリするとは思わなかった。
無断熱の家で石油ストーブをたきまくり暖をとる、という間抜けなライフスタイルから抜け出したい一心だったが、結局この家で冬を越すには、この間抜けな方法こそがベストである、という結論に落ち着いた。
まあまあのお金と時間をかけて、残ったのは上記結論と、大量の廃棄物だけだ。俺は何をやっているのだろうか。
自分で下手に工夫して、結果お金と時間を失う。顧みれば20代の頃からそうだった。
東京に住んでいた頃、自宅の中に防音スタジオを作ろうと思い立ったことがある。
木で枠組みを作り、グラスウールを石膏ボードで挟んで壁を作り、とりあえず形はできたが、完全な気密を達成しなければ、ほとんど防音効果はないということに、作ってみてはじめて気づいた。
もし完全な気密を達成できたとしたら、今度は歌っている間に窒息死する、という問題が発生する。自作防音室の中でギターを抱えた腐乱死体として発見される自分の未来が見えてしまい、結局防音室は片付けることにした。
この度プチプチハウスを撤去していた、20代の頃と全く同じことをしている自分に気づいて、成長のなさに情けない気持ちになった。
今まで、気まぐれな「よかれと思って」の思いつきで、お金と時間を、どれだけ無駄にしてきたのだろうか。
使い道がなくなった大量のイボ竹とプチプチを前に、生き方を変えようと決意した冬であります。
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