声の出し方がだいぶ変わった。今のところ、以下の3ステップに落ち着いている。
練習の便宜上3ステップで書くが、本番はステップ踏んでる暇はない。目指すは同時進行。複数のステップを一つに統合すること、一つづつ意識しないとできないことを、一つの動作として、いっぺんに、無意識でできるまで落とし込むことが、練習の目的だ。
①口の奥の方を、斜め後ろ上の方に開く。
あくびみたいな感じの柔らかい声が出る感じで、口の奥の方を開く。この時、口自体を開けることは一切意識しない。あくまで行うのは①の動作で、それにつられて口が開くのに任す。口の奥が主で、口は従。
口に力を入れなくても、声は出る。むしろ口に力が入ると、口の奥が開きにくくなる。唇は赤ちゃんの唇みたいにプルプルのままにしておく。
ボイトレの人がよくやる、唇を息でプルルルル〜ってやるやつは、唇の力みをとるためと思われる。(先日、赤ちゃんがこれをやっているのを見た)
唇をつまんで喉に手を当てながら声を出すと、力みがチェックしやすい。
②顎をひく。
①の声の出し方をすると、喉に力を入れずに、ある程度広い音程の声を出せるようになるが、響きは、あくびみたいな感じで頼りない。そこで、①をしながら②の動作をする。①で生まれた柔らかいけど密度の薄い声に、芯が生まれる。
拮抗する①の力と②の力で、声帯を、リラックスさせたまま伸ばすようなイメージ。
②の感覚は、下の歯と唇の間に声を響かす練習をすると得られる。
③後頭部を強烈に後ろに引っ張る。
②までの動作で、地声の領域は、喉を楽にしたまま統一された音色をコントロールできるようになる。
しかし地声の上の領域、声がひっくり返る領域に入ると、だんだん喉に力が入って、締めつけられた苦しい声になる。
そこで、地声の上の音域を出す時は、①②と同時に、口の中の奥のスペースを、強烈に後方へ広げる感じで、後頭部を後ろへ引っ張る。
頭蓋骨と頚椎の付け根あたりが、強烈に後ろに引っ張られる感じ。イメージではなく、実際の動き。
この動きができはじめると、高い声を出す時も、喉や、首の前の方が力まなくなり、頭が前方にせり出すことなく、胴体の上に乗っかったまま、声が出る形になってくる。
逆に言うと、最初から首に力みがあると、この動きはできないのかもしれない。
ロルフの第7セッションの後、この動きができるようになった。
①②③の動作は全て、声帯自体に力を入れるかわりに、声帯自体はリラックスさせたまま、周りから声帯を引っ張る行為と言えると思う。
どれも日常生活では使わない体の動きなのではじめは難しいかもしれないが、才能と違い、筋肉は誰しも持っているので、鍛えれば動くようになるはず。
しかし、体は、全身全てのパーツが連携している。ある場所の凝り固まりが、別の場所の動きを制限していることは、ままある。
なので、どこか一つのパーツだけ動かす、というのは、よほど体が細分化された達人でないと難しいと思われる。
なので、ハウツーのテイで声の出し方を書いてみたが、これを読んで、誰もが書いた通りに声を出せるとは全然思っていない。自分向けの備忘録。
「顎をひけ」と言われても、俺のいうところの「顎をひく」ができる人とできない人がいる。そして、できない人のできない原因は十人十色。そしてその答えは、その人の体の中にしかない。なので、できるようになるには、結局、コツコツと自分の体と向き合うしかない。そこが面白さでもあるのだが。
偉そうに蘊蓄を書いていると、よほどすごい声が出ると勘違いされる恐れがあるので、実際の歌声をアップしておこうと思う。
— 鳩山浩二 (@hatoyamakoji) 2022年8月22日
赤ちゃんのハイハイレベルという自覚はある。しかしそれだけに伸び代は感じている。
ボイトレは、他人と声を比較さえしなければ、楽しさしかない。
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