お米は、お米屋さんで買うのが断然面白い。
店頭に全国のお米を玄米で何種類も並べているようなお米屋さんは、だいたい商売以前にお米マニアで、圧倒的な経験と知識に裏打ちされつつも、商売を超えたお米愛溢れるお米トークを聞いていると、熱量が伝染して、素人のこっちまで何故かワクワクしてくる。
自分が愛するものを夢中で語る姿は、それが何であれ、その姿自体が爽やかだ。
そーゆーお米屋さんは、だいたいどの街にも一件はある。品川区、豊島区、所沢市、どこに引っ越しても、ちゃんと、かかりつけの一件が見つかって心強かった。
果たして山梨にも、熱いお米屋さんがあった。山梨市の「赤池」さんである。
今まで訪れた中で一番熱量が半端なかったお店は錦糸町の「玄米耕房かめた」さんだ。
俺もマニア的趣味の世界は好きで、何人か、常軌を逸した音楽マニアや伝統こけしマニアに会ってきたが、そーゆー人たちに劣らない熱量を持った店主のお米トークに、世の中いくらもすごい人はいる!お米ってすごい!と、嬉しくなったのを覚えている。
そこで出会った奇跡のお米「かぐや姫」。「日本で三件しか取り扱っていない」と言っていたのだが、そのうちの一件が山梨にあったという奇跡。
そんなお米を取り扱ってるくらいのお店だから、他の品種も選りすぐりのお米ばかり。例えば山梨の銘柄米「農林48号」にしても、その発祥の地の、発祥の区域の田んぼから仕入れている、という。
「どこどこの田んぼは土の質がこう違うから、食味がこう違ってくる」、とか、そういう話を聞かせてもらえると、お米は、スーパーで買うより、お米屋さんで買った方が断然豊かな気持ちになれると実感する。
そーゆーこだわりのお米を、精米したてで炊くご飯、美味しいことはいうまでもない。
お米屋さんって、利用する前は、あっても無くてもどっちでもいい商売だと思っていたけど、利用すると、ちゃんと存在する理由があるし、なくてはならない商売だと実感できる。
美味しいお米1キロが、コーヒー一杯の値段で買えるって、とんでもなく豊かなことだと常々感じている。日本に住んでいて、お米を食べない理由がない。
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