指に一般人の2倍の力があるわけなく、2分の1の力で弦を押さえる方法を知っている。
2倍早く手が動かせるわけじゃなく、2分の1の距離で動かすコースを知っている。
その結果として、難しいこともできる。
いかに頑張るかではなく、いかに頑張らないか。頑張る段階も必要だと思うけど、この事を知ってるだけでもえらい違うと思う。
ギターの脱力について気づいた事を色々書いてみる。
高校時代、授業中、机の下で指鍛えマシーンを握っていたギターキッズ鳩山に捧げたい。
ギターを弾くためには弦を押さえなきゃならないことはギター弾かない人でも知っているが、実際どれだけの力で押さえればいいのか、は、ギター弾いてる人でも知らないことがある。
無意識だと、大抵力が入りすぎている。まず指を弦の上に軽くのせてみて、徐々に押さえる力を増していくと、音がビビらない最小限の力に行き着く。それが、その人そのギターにとっての弦を押さえるのに必要な力だ。多分、思ってる以上に軽い力で済むと思う。余計な力から解放されたことで、指は今までより軽やかに動くようになる。
弦は、親指か、母指球の力で押さえる。クランプは、どっちからでも締め付けることが可能だ。親指で指板の裏を押せば、親指以外の4本自体の力を使わなくても、弦は自ずと押さえられる。
今まで4本の指に神経を使っていたのが一本で済むので、4倍弾くのが楽チンになる理屈だ。
そして弦を押さえる力仕事からさらに解放された4本の指は、より一層フレット上を動く仕事の方に専念できるようになる。
このように、押さえる力を、弦に対応した指からネックの裏からの力にシフトチェンジすると、左手の意識の向けどころも変わってくる。4本の指で弦を押さえることよりも、親指の力をロスなくフレットまで伝達するために、押さえる場所毎に、手首の角度などを微調整する事に意識がいくようになる。
どうしても弾けないフレーズも、指を動かすことより、手首の角度に意識を置くと、弾ける道筋が見つかったりする。そのフレーズが弾けるかどうかは、指を動かす前に、どの角度で指を指板に乗せるか、という段取りの段階で決まっている。
フレット位置毎の手首の角度の微調整が上手になり、弦を押さえる指と、ネック裏からの力との繋がりを常に感じ続けられるようになると、どんな早いフレーズでも、自分が弾きたい通りに弾くことができるようになる。
手の形や大きさは全員違うので、この微調整の実際の内容は全員違うと思われる。答えは自分の身体とギターの中から見つけるしかない。そこが芸事の面白さだと思う。実際底なしに面白い。
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